期待はずれの最新端末 第2世代iPhone SEとは?
4月24日発売 iPhone SEは誰向き?
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かねてからウワサのあった第2世代のiPhone SE。
4月15日、AppleがiPhone SEの後継機種を4月15日正式に発表した。
発売は4月24日。
何よりも驚くべきは衝撃的なプライス。
64GBモデルは税別4万4800円。消費税を入れても5万円以下となる。
価格ゆえにiPhone 11シリーズに手が出せなかったユーザーにとって、待望の1台となるが、2016年に発売されたiPhone SEをこよなく愛しているユーザーが首を長ーくして待っていた「iPhone SEの後継機種」としては腑に落ちないがある。
新型iPhone SEのサイズに不満
今回、発売となるiPhone SE(第2世代)は、本体サイズやデザインがiPhone 8と全く一緒となる。
iPhone SEというよりも「iPhone 8s」と言ったほうが良いかもしれない。
iPhone SEはそのコンパクトさにニーズがあったため、最近のサイズ感に便利さを感じないユーザーは新型iPhone SEの発売を心待ちにしていた。
しかし、iPhone 5sのリフレッシュ版として"4インチ画面のコンパクトなiPhone"だった初代iPhone SEに対し、第2世代のiPhone SEはiPhone 8のリフレッシュ版という位置づけなため、期待に沿えないものとなってしまった。
新型iPhone SEの価格
最近は競争相手となるAndroid陣営を見てみると売れ筋が3万円台のAQUOD Sense3シリーズになるなど、コストパフォーマンスの優れた製品に人気が集まっていた。
Appleとしては、一昨年のiPhone XSなどが高価過ぎて、思うように売れなかったという反省し、昨年のiPhone 11 Pro Maxなどでは従来よりも価格を抑える販売戦略に方向転換している。
世界的にもスマホが普及している中、Appleとしては全世界的に「買いやすい値段のiPhone」が求められていたと認識していたのだろう。
日本では昨年10月の改正電気通信事業法により、スマホの販売に対しての割引に規制が入ったが、「通信契約と紐づく場合は上限2万円まで割引できる」という条件がある。
つまりは、iPhone SEは本体価格は4万4800円。
割引を適用すれば2万4800円。
3万円以下で最新のiPhoneが手に入るとなれば、日本で再びiPhone人気が高まる可能性がある。
ここ最近、端末販売の割引がなくなったことで、「キャリアで買うのではなく、SIMフリーを買う」という人が増えてきたように思う。
しかし、今回のiPhone SEでは「キャリアで2万円の割引をしてもらって買う」というのが賢明なのかもしれない。
安価なiPhone SEで「ガラケーからスマホデビューしたい」という初心者の獲得を狙っている。
スマホデビュー向け
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あと数年で各キャリアとも3Gのサービスが終了となる。
それに伴い「ガラケーからスマホに乗り換える」という人の争奪戦が始まっている。
そうした「初めてのスマホを使いこなせるか不安。」「最初は安いスマホでいい」という人に、新型iPhone SEは向いている。
ハイエンドiPhoneと比べると「ん?あれが無い…」がちらほら見受けられる。
今回のiPhone SEには、無くて当たり前のモノから、マニアックなものまで、「無いもの」がある。
そのため、スマホデビュー者にも使いやすくなっている。
背面カメラはひとつだけ
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iPhone 11 ProやiPhone 11だけでなく、最近の最新スマホには2〜3個の背面カメラが搭載されています。
超広角や望遠の写真が撮れて便利です。
これに対し、新型iPhone SEには1200万画素のカメラがひとつ。
スマートHDRに対応しており、iPhone 11シリーズの売りの1つであったナイトモードに対応はしていないが、ポートレートモードも利用可能。
しかし、A13 Bionicを搭載したことで、処理速度が向上し、カメラ機能がパワーアップ。
ハードウェア的にはiPhone 8と同じシングルカメラだが、Focus Pixelsを使用したポートレート撮影が可能に(人物のみ)、また、動画は60fpsの4K撮影に対応した。
さらにフロントカメラの動画撮影時に手ブレ補正が働くようになっている。
被写界深度も取ることができるので、普段あまり写真を撮らない人や、スマホカメラよりも一眼カメラやデジカメで撮影する人には十分なiPhoneとなる。
A13 Bionic
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新型iPhone SEは、iPhone 11シリーズと同じA13 Bionicを搭載。
- 85億個のトランジスタ
- 2つの高性能コア
- 4つの高効率コア
- Apple独自設計の4コアGPU
- 8コアのNeural Engine
とパソコン並みのスペックと称される。
これは販売が継続されるiPhone XRよりも高い処理能力となる。
Touch ID導入
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新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本はもちろん、元々マスクをする習慣のなかった欧米ですら、マスクの着用を余儀なくされている。
iPhone X以降に搭載されているFace IDは、マスクをつけたままでは顔認証をすることができない。
厳密に言えば、登録の仕方次第でマスクをつけたままでもロック解除は可能なようだが、人によりけりな部分で精度にも難がある。
そのため、指を当てるだけで簡単にロックを解除できる「Touch IDの方が、スムーズに操作ができる」と予想外の形でTouch IDの価値が見直されていた。
新型iPhone SEにはホームボタンが搭載されており、iPhone X以降のいわゆるフルディスプレイではなく、Face IDにも非対応な一方で、Touch IDには対応。
そのため、マスク 姿のままロック解除ができずイライラしているユーザーや、Face IDが不安でフルディスプレイのiPhoneに乗り換えられないユーザーにとって、新型iPhone SEはありがたい。
iPhone 11シリーズで廃止された「3D Touch」。
iPhone 6S、7、8、XSシリーズなどでグーッと強く押しこむとメニューが出てくる「3D Touch」がiPhone SEにはない。
代わりに画面を長押しすることで3D Touchと同じ挙動となる。
節約にも威力を発揮
端末の価格がリーズナブルなのはもちろん、2回線目にIIJmioのeSIMや、楽天モバイルのeSIM(正式サポート外)を設定すれば、トータルで通信費も抑えらる。
その意味では、節約志向の人にピッタリなiPhoneとなる。
有機ELではない
新型iPhone SEは液晶ディスプレイ。
黒色を発光しない「有機ELディスプレイ」と比べると、黒い部分の締まりが物足りないかもしれない。
あくまで連絡・情報収集用のツールとして使うのであれば、気にならないだろう。
防水性能はiPhone11より劣る
新型iPhone SEはiPhone 11のIP68と比べると一段落ちの防塵防水性能IP67等級。
これにより水深1mで最大30分間の耐水性能(iPhone 11は2m)とうたわれているので、水辺で使う際には注意が必要。
iPhone 7依頼、多少の雨には負けないiPhoneなので、普段使いには問題ないだろう。
UWB(ウルトラワイドバンド)・イヤホンジャックはない
iPhone SEは最新のWi-Fi 6(802.11ax Wi‑Fi 6 with 2×2 MIMO)や、予備電力機能付きエクスプレスカード(たとえば本体充電が切れてもSuicaが使える)に対応しているが、UWB(強化版のBluetoothのようなもの)には対応していない。
また、イヤホンジャックはない(iPhone 7以降非搭載)。
4月17日予約開始
予約開始は4月17日(金)夜9時から、最短でのお届け予定日(発売日)は4月24日(金)となっている。
au、ドコモ、ソフトバンクでの取り扱いが決定されていますが、キャリアとして生まれ変わった楽天モバイルでの取り扱いは未定。